グループホーム利用には受給者証の申請、変更が必要?障害支援区分・共同生活援助の申請手続きを解説
グループホーム利用には障害福祉サービス受給者証が必要です。
就労継続支援A型やB型などの障害福祉サービスを利用している方は、すでに「障害福祉サービス受給者証」を持っていることが一般的です。
そのため、グループホームへの入居を考えたとき、
「受給者証を持っているから、そのままグループホームにも入れる」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、ここは注意が必要です。
障がい者グループホームは、障害福祉サービス上では「共同生活援助」というサービスです。
現在の受給者証に就労継続支援A型やB型などが記載されていても、「共同生活援助」の支給決定を受けていなければ、その受給者証だけでグループホームを利用できるわけではありません。
グループホーム探しから始めると、
「入居したい日までに受給者証の手続きが間に合わない」
ということも考えられます。
そのため、グループホームへの入居を検討し始めた段階で、現在の受給者証の内容を確認し、必要な手続きを早めに進めることが大切です。
この記事では、
・すでにA型・B型を利用している方も手続きが必要なのか
・共同生活援助の申請とは何か
・障害支援区分とは何か
・80項目の認定調査では何を聞かれるのか
・申請から受給者証の交付までの流れ
・なぜ入居前から手続きを始めた方がよいのか
についてわかりやすく解説します。
もくじ
- グループホーム利用には「共同生活援助」の支給決定が必要
- まず現在の受給者証を確認してみよう
- 「障害支援区分」も確認が必要
- A型・B型を利用していても障害支援区分がない場合がある
- 障害支援区分の認定はどうやって決まる?
- 認定調査では「80項目」の聞き取りが行われる
- 認定調査ではどんなことを聞かれる?
- 「できること」だけを答えないことも大切
- 医師意見書も区分認定に使用される
- 共同生活援助の申請も必要
- すでに受給者証がある場合も「変更手続き」を確認する
- 相談支援専門員にも早めに相談しよう
- 申請してからすぐに受給者証が発行されるとは限らない
- 「入居先が決まってから申請」では遅い場合がある
- グループホームを検討し始めたら最初に確認したいこと
- グループホーム探しと行政手続きは並行して進めよう
- よくある質問
- まとめ
グループホーム利用には「共同生活援助」の支給決定が必要
まず押さえておきたいのが、
「障害福祉サービス受給者証を持っていること」
と、
「グループホームを利用できる状態になっていること」
は同じではないということです。
障害福祉サービス受給者証には、市区町村から支給決定を受けたサービスの種類や支給期間などが記載されています。
例えば、現在、
・就労継続支援A型
・就労継続支援B型
・就労移行支援
・生活介護
などを利用している方は、すでに障害福祉サービス受給者証を持っていることがあります。
しかし、グループホームは「共同生活援助」という別の障害福祉サービスです。
そのため、
「B型を利用しているから受給者証は持っています」
という方でも、現在の受給者証に共同生活援助の支給決定がなければ、グループホーム利用に向けた手続きが必要になります。
まず現在の受給者証を確認してみよう
グループホームへの入居を考え始めたら、まず手元にある障害福祉サービス受給者証を確認してみましょう。
確認したいポイントは、
「共同生活援助」
について支給決定されているかどうかです。
例えば現在、
就労継続支援B型
→ 利用中
共同生活援助
→ 支給決定なし
という状態であれば、B型の受給者証を持っていても、そのまま共同生活援助を利用できるわけではありません。
共同生活援助の支給決定がされている場合は、下記画像のようにサービス種別欄に『共同生活援助』が受給者証に記載されます。

障害福祉サービス受給者証がない方や、サービス種別に共同生活援助の記載がない受給者証をお持ちの方はグループホームを利用したいことを市区町村の障害福祉課へ伝え、必要な申請手続きを進める必要がございます。
「障害支援区分」も確認が必要
グループホームの手続きを進める際に、もう一つ確認しておきたいのが、
「障害支援区分」
です。
障害支援区分とは、障害のある方について、
「障害の多様な特性や心身の状態に応じて、どの程度の支援が必要なのか」
を示す区分です。
区分は、
区分1
区分2
区分3
区分4
区分5
区分6
の6段階となっています。
数字が大きくなるほど、必要とされる標準的な支援の度合いが高いことを示します。
障害支援区分によってグループホーム側が受け入れの判断をするケースも多く、障害福祉課の窓口で障害支援区分の調査の申請も行ってください。
A型・B型を利用していても障害支援区分がない場合がある
ここは特に注意したいポイントです。
就労継続支援A型やB型などを利用している方が、必ず障害支援区分の認定を受けているとは限りません。
そのため、
「受給者証は持っている」
けれど、
「障害支援区分は認定されていない」
という方もいます。
グループホームへの入居を検討する際には、
① 共同生活援助の支給決定があるか
② 障害支援区分が認定されているか
の両方を確認しておくとよいでしょう。
障害支援区分の認定はどうやって決まる?
障害支援区分が必要な場合には、市区町村へ申請したあと、認定に必要な手続きが進められます。
大まかな流れは、
申請
↓
認定調査
↓
一次判定
↓
医師意見書
↓
市町村審査会による二次判定
↓
障害支援区分の認定
となります。
参考:厚生労働省 認定調査員マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/6_5.pdf
認定調査では「80項目」の聞き取りが行われる
障害支援区分の認定では、認定調査員による調査が行われます。
現在の障害支援区分の認定調査は、80項目で構成されています。
大きく分けると、
① 移動や動作等に関連する項目
② 身の回りの世話や日常生活等に関連する項目
③ 意思疎通等に関連する項目
④ 行動障害に関連する項目
⑤ 特別な医療に関連する項目
について確認されます。

認定調査ではどんなことを聞かれる?
例えば、
・寝返り
・起き上がり
・座位保持
・歩行
・移乗
・移動
・食事
・排尿
・排便
・入浴
・衣服の着脱
・薬の管理
・金銭の管理
・電話などの利用
・日常の意思決定
・意思の伝達
・説明の理解
・行動上の特性
・精神面や行動面で必要となる支援
・医療的な支援
など、日常生活のさまざまな状況について確認されます。
単純に、
「一人でできる・できない」
だけを見るものではありません。
障害特性によって、
「できる日とできない日がある」
「声をかけてもらえばできる」
「手順を説明してもらう必要がある」
「見守りがないと難しい」
「身体的にはできるが、精神症状によってできないことがある」
といった場合もあります。
そのため、本人の日常生活の実態をできるだけ具体的に伝えることが大切です。
「できること」だけを答えないことも大切
特に精神障害や発達障害、知的障害のある方の場合、
「頑張ればできる」
「調子が良い日はできる」
ということがあります。
しかし、認定調査では普段の生活で実際にどの程度の支援が必要なのかを適切に伝えることが重要です。
例えば、
「服薬できますか?」
と聞かれた場合でも、
薬を口に入れて飲むこと自体はできても、
・飲む時間を忘れてしまう
・スタッフの声かけが必要
・薬を準備してもらう必要がある
・自己管理すると飲み間違える
・体調によって服薬できないことがある
のであれば、その状況も伝えます。
本人だけで説明することが難しい場合には、家族や支援者などから普段の状況について情報を補足してもらえるか、事前に自治体へ確認しておくとよいでしょう。
医師意見書も区分認定に使用される
障害支援区分の認定では、認定調査だけで決まるわけではありません。
市町村審査会による審査・判定では、認定調査の結果などに加えて「医師意見書」も使用されます。
そのため、区分認定には、
・認定調査の日程調整
・医師意見書
・一次判定
・市町村審査会
・認定結果の決定
など複数の手続きが必要になります。
共同生活援助の申請も必要
障害支援区分とは別に、グループホームを利用するためには「共同生活援助」の支給申請が必要です。
市区町村では、
・本人の心身の状況
・現在の生活状況
・家族や介護者の状況
・住まいの状況
・サービスの利用意向
・サービス等利用計画案
などを踏まえて支給決定を行います。
支給決定されると、受給者証に共同生活援助の利用に必要な内容が反映されます。
すでに受給者証がある場合も「変更手続き」を確認する
A型やB型などを利用していて、すでに受給者証を持っている場合には、
「新しく受給者証をゼロから取得する」
というイメージではなく、
「共同生活援助を利用できるよう必要な支給決定・変更手続きを行う」
と考えると分かりやすいでしょう。
手続き方法や必要書類は自治体や現在の支給決定状況などによって異なる場合があります。
そのため市区町村へ、
「現在B型を利用していて受給者証を持っていますが、グループホームへの入居を検討しています」
などと伝え、必要な手続きを確認しましょう。
相談支援専門員にも早めに相談しよう
すでにA型やB型などを利用している方で、担当の相談支援専門員がいる場合には、グループホームを検討し始めた段階で相談しましょう。
例えば、
「半年以内にグループホームへ入りたい」
「見学したいホームがある」
「親元を離れて生活したい」
など、まだ入居先が決まっていない段階でも構いません。
相談支援専門員は本人の希望や必要な支援を整理し、サービス等利用計画など必要な手続きを進めるうえでも重要な存在です。
申請してからすぐに受給者証が発行されるとは限らない
ここが今回の記事で特にお伝えしたいポイントです。
グループホームの利用に必要な手続きは、
「今日申請して、明日受給者証が発行される」
というものではありません。
特に障害支援区分の認定が必要な場合には、
申請
↓
認定調査の日程調整
↓
80項目の認定調査
↓
医師意見書
↓
一次判定
↓
市町村審査会
↓
区分認定
↓
サービス等利用計画等の手続き
↓
共同生活援助の支給決定
↓
受給者証への反映・交付
など、複数の手続きが関係します。
自治体や本人の状況などによって必要な期間は異なります。
そのため、入居予定日が決まってから申請すると、希望する入居日までに必要な手続きが完了しない可能性があります。
「入居先が決まってから申請」では遅い場合がある
例えば、
「良いグループホームが見つかった」
↓
「来月から入居したい」
↓
「受給者証を確認したら共同生活援助がない」
↓
「さらに障害支援区分の認定も必要だった」
となると、希望するスケジュールで入居できない可能性があります。
グループホーム側も、共同生活援助の支給決定が確認できない状態では、障害福祉サービスとしての利用開始手続きを進められない場合があります。
だからこそ、
「グループホームへの入居を決めてから手続きを始める」
のではなく、
「グループホームを検討し始めた段階で受給者証を確認する」
ことが重要です。
グループホームを検討し始めたら最初に確認したいこと
グループホームへの入居を少しでも考えている方は、次の項目を確認してみましょう。
□ 障害福祉サービス受給者証を持っているか
□ 受給者証に現在どのサービスが記載されているか
□ 「共同生活援助」の支給決定を受けているか
□ 障害支援区分が認定されているか
□ 認定されている場合、現在の区分はいくつか
□ 担当の相談支援専門員がいるか
一つでも分からない項目があれば、担当の相談支援専門員や市区町村の障害福祉担当窓口へ確認してみましょう。
グループホーム探しと行政手続きは並行して進めよう
グループホームを利用するときは、
「受給者証の手続きが全部終わってからホームを探す」
必要があるわけではありません。
おすすめなのは、
【住まい探し】
・希望条件を整理する
・グループホームを検索する
・問い合わせる
・見学する
・必要に応じて体験利用する
と、
【行政手続き】
・現在の受給者証を確認する
・市区町村へ相談する
・共同生活援助を申請する
・障害支援区分を申請する
・サービス等利用計画等の手続きを進める
を並行して進める方法です。
手続きに時間がかかる可能性を考え、早めに動いておくことで、希望するグループホームが見つかったときに入居まで進みやすくなります。
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よくある質問
Q. B型を利用していて受給者証があります。そのままグループホームに入れますか?
B型の利用について受給者証を持っていても、共同生活援助の支給決定を受けていなければ、そのままグループホームを障害福祉サービスとして利用できるわけではありません。
現在の受給者証を確認し、市区町村や相談支援専門員へ相談しましょう。
Q. A型・B型利用者は障害支援区分を持っていますか?
必ずしも持っているとは限りません。
就労継続支援A型・B型を利用していることだけをもって、障害支援区分が認定されているとは限らないため、受給者証などで確認しましょう。
Q. 障害支援区分の認定調査は何項目ですか?
現在の障害支援区分の認定調査は80項目です。
移動や動作、日常生活、意思疎通、行動上の特性、特別な医療などについて確認されます。
Q. 入居先が決まっていなくても相談できますか?
はい。
むしろ入居先が決まる前から、市区町村や相談支援専門員へグループホームの利用を検討していることを伝えておくことが大切です。
必要な手続きや現在の受給者証の状況を早めに確認できます。
まとめ
就労継続支援A型やB型などを利用しており、すでに障害福祉サービス受給者証を持っている方でも、そのままグループホームを利用できるとは限りません。
グループホームは「共同生活援助」という障害福祉サービスであるため、共同生活援助について必要な支給決定を受ける必要があります。
特に確認したいのは、
① 現在の受給者証に共同生活援助の支給決定があるか
② 障害支援区分が認定されているか
③ 希望するグループホームの利用に区分認定が必要か
④ 共同生活援助の申請手続きを進めているか
という点です。
障害支援区分の認定は、80項目の認定調査や医師意見書、市町村審査会による審査・判定などの手続きがあります。
そのため、グループホームへの入居が決まってから手続きを始めると、希望する入居日に間に合わない可能性があります。
大切なのは、
「入居先が決まったら手続きする」
ではなく、
「グループホームを検討し始めたら、まず受給者証を確認する」
ことです。
グループホーム探しと行政手続きを並行して進め、希望するホームが見つかったときにスムーズに入居できるよう早めに準備しておきましょう。
「みんなのグルホ」では、全国の障がい者グループホーム情報を掲載しています。
まだ入居先が決まっていない段階でも、希望エリアや支援内容からグループホームを探すことができます。
住まい探しを進めながら、相談支援専門員や市区町村にも早めに相談し、入居に必要な手続きを進めていきましょう。
※障害福祉サービスの申請方法や支給決定までの流れ、必要な手続きは、本人の状況や自治体によって異なる場合があります。実際に申請する際は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口へご確認ください。

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