相談支援専門員とは?グループホーム探しで何をしてくれる?役割をわかりやすく解説
障がい者グループホームへの入居を考え始めたとき、
「誰に相談すればいいの?」
「相談支援専門員って何をしてくれる人?」
「グループホームを探してくれる?」
「相談支援専門員がいないとグループホームに入れない?」
と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
相談支援専門員は、障害のある方が地域で自分らしく生活するために、本人の希望や困りごとを整理し、必要な障害福祉サービスや関係機関との調整などを行う専門職です。
グループホームを検討する際にも、住まいだけではなく、日中活動、医療、生活支援などを含めて今後の生活を一緒に考える重要な存在です。厚生労働省も、相談支援専門員について、障害福祉サービス等の利用計画作成や地域生活への移行・定着など、障害のある方への全般的な相談支援を行う職種としています。
この記事では、相談支援専門員の役割や相談できる内容、グループホーム探しで何をしてくれるのか、相談支援専門員がいない場合の相談先までわかりやすく解説します。
もくじ
相談支援専門員とは?
相談支援専門員は、障害のある方やその家族から相談を受け、本人が希望する生活を実現するために必要な支援を一緒に考える専門職です。
単に「利用できる福祉サービスを紹介する人」ではありません。
本人の、
- 現在の生活状況
- 障害特性
- 困っていること
- 家族の状況
- 将来どのような生活をしたいか
- どのような支援が必要か
などを確認しながら、必要な障害福祉サービスや社会資源を整理していきます。
厚生労働省の資料でも、本人の生活歴や病歴、現在の生活、今後の希望などを踏まえ、障害福祉サービスだけではなく、医療・就労・住まいなどを含めて総合的に支援を考える役割が示されています。
相談支援専門員はどこにいる?
相談支援専門員は、主に指定特定相談支援事業所などに配置されています。
障害福祉サービスを利用したい場合には、
市区町村の障害福祉窓口
または、
相談支援事業所
などへ相談することができます。
「自分には相談支援専門員がいるのか分からない」という場合には、現在利用している障害福祉サービスの事業所や、市区町村の障害福祉窓口へ確認してみましょう。
全国に相談支援専門員は約3万人いらっしゃいます。
参考:厚生労働省 障害者相談支援事業の実施状況等について(令和6年調査)https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001457589.pdf
相談支援専門員の主な役割
相談支援専門員の仕事は幅広くあります。
特に障害福祉サービスを利用するときに重要になるのが、次のような支援です。
① 本人や家族から相談を受ける
まず本人や家族から、
「一人暮らしが難しくなってきた」
「親元を離れて生活したい」
「グループホームへ入りたい」
「仕事を始めたい」
「生活介護やB型を利用したい」
「家族だけで支えることが難しくなってきた」
などの相談を受けます。
大切なのは、本人が**「どのサービスを利用したいか」だけではなく、「どのような生活を送りたいのか」**を一緒に整理することです。

② 本人の状況を確認する「アセスメント」
相談支援専門員は、本人や家族との面談などを通して現在の状況を確認します。
これをアセスメントといいます。
例えば、
- 障害の状況
- 日常生活でできること
- 支援が必要なこと
- 服薬・通院状況
- 日中活動
- 就労状況
- 家族の支援状況
- 住まい
- 本人の希望
- 将来の目標
などを整理します。
この内容をもとに、「本人にどのような支援が必要なのか」を考えていきます。
指定計画相談支援では、相談支援専門員が利用者の居宅等を訪問して本人や家族に面接し、アセスメントを行うことが基準上定められています。

③ 「サービス等利用計画」を作成する
障害福祉サービスを利用する際に重要になるのが、
サービス等利用計画
です。
相談支援専門員は、本人の希望や課題などを踏まえて、
「どのような生活を目指すのか」
「そのためにどのような支援が必要なのか」
「どの障害福祉サービスを利用するのか」
などを整理した計画を作成します。
例えば、
住まい
→ 障がい者グループホーム
日中活動
→ 就労継続支援B型
医療
→ 精神科通院・訪問看護
外出支援
→ 移動支援
など、生活全体を見ながら必要なサービスを組み合わせていきます。

④ 障害福祉サービスや関係機関との調整
相談支援専門員は、計画を作るだけではありません。
本人が必要な支援を受けられるよう、
- グループホーム
- 就労継続支援A型・B型
- 就労移行支援
- 生活介護
- 居宅介護
- 訪問看護
- 医療機関
- 行政
- 家族
など、さまざまな関係者との連絡・調整を行います。
本人を中心として、複数の支援者が同じ方向を向いて支援できるようにすることも重要な役割です。

⑤ 利用開始後も「モニタリング」を行う
障害福祉サービスは、
「利用開始したら終わり」
ではありません。
相談支援専門員はサービス利用後も、定期的に本人の生活状況などを確認します。
これをモニタリングといいます。
例えばグループホームへ入居した後、
「ホームでの生活には慣れたか」
「困っていることはないか」
「日中活動へ通えているか」
「支援内容は本人に合っているか」
「新しい支援が必要になっていないか」
などを確認します。
状況が変わった場合には、必要に応じてサービス等利用計画を見直したり、関係機関と連絡調整したりします。

グループホーム探しで相談支援専門員は何をしてくれる?
ここからが、グループホームを検討している方にとって特に重要な部分です。
相談支援専門員は、グループホームへの入居を考える際にも重要な相談相手になります。
① 本人がどんな生活を希望しているか整理する
まず、
「なぜグループホームへ入りたいのか」
を整理します。
例えば、
- 親元から自立したい
- 一人暮らしは不安
- 家族の高齢化が心配
- 退院後の住まいを探している
- 服薬や生活面の支援を受けたい
- 将来の「親亡き後」に備えたい
など、グループホームを検討する理由は人によって異なります。
本人の希望を整理することで、どのようなホームが合っているのか考えやすくなります。
② 必要な支援内容を整理する
グループホームによって支援体制は大きく異なります。
例えば、
「夜間に不安が強くなる」
→ 夜勤スタッフがいるホームを検討
「服薬管理が必要」
→ 服薬支援に対応しているホームを検討
「精神科訪問看護を利用したい」
→ 医療・訪問看護との連携状況を確認
「人が多い環境が苦手」
→ 少人数やワンルーム型を検討
といったように、本人に必要な支援から住まいの条件を整理することができます。
③ グループホームに本人の情報を伝える
グループホーム側も、空室があれば誰でも受け入れられるわけではありません。
入居前には、
- 障害特性
- 障害支援区分
- 日常生活の状況
- 服薬状況
- 医療的な支援
- 行動面
- 日中活動
- 必要な支援
- 本人の希望
などを確認したうえで、ホームの支援体制で対応できるか判断します。
相談支援専門員が本人の状況を整理していることで、グループホーム側も「どのような支援が必要な方なのか」を把握しやすくなります。
④ 見学や体験利用に向けて調整する
候補となるグループホームが見つかった場合には、見学や体験利用などについて相談しながら進めることになります。
グループホームは資料やホームページを見るだけでは、
- スタッフの雰囲気
- 他の入居者との相性
- 建物の環境
- 食事
- 支援体制
- 夜間の雰囲気
- 実際の生活ルール
などが分からないことがあります。
そのため、可能であれば入居前に見学や体験利用を行い、本人との相性を確認することが重要です。
⑤ 入居後の生活も支援者と連携する
相談支援専門員の役割は、グループホームへの入居が決まったら終わりではありません。
入居後も、
本人
↓
グループホーム
↓
相談支援専門員
↓
日中活動先・医療機関・訪問看護・家族など
が連携しながら本人の生活を支えていきます。
特に入居直後は環境が大きく変わるため、本人が新しい生活に慣れているか確認することも大切です。
相談支援専門員は「グループホームを探してくれる人」?
ここは誤解しやすいポイントです。
相談支援専門員はグループホーム探しについて相談したり、必要に応じて情報提供や関係機関との連絡調整を行ったりする重要な支援者ですが、「希望条件に合うホームを何十件も検索して、必ず空室を見つけてくれる不動産会社」のような役割ではありません。
相談支援事業所によって、グループホーム探しへの関わり方や地域の事業所情報の把握状況なども異なります。
そのため、
相談支援専門員に相談する
+
グループホーム検索サイトなどでも情報を探す
という方法も有効です。
みんなのグルホでは相談支援専門員と連携してグループホーム探しを進めております。
グループホームのお探しはこちらからご相談ください。
グループホームを探すとき相談支援専門員に伝えたいこと
相談するときには、希望条件をあらかじめ整理しておくとスムーズです。
例えば、
- 希望する地域
- いつ頃までに入居したいか
- 戸建て型・ワンルーム型の希望
- 一人部屋を希望するか
- 家賃の上限
- 夜間支援の必要性
- 服薬管理の必要性
- 訪問看護の利用状況
- 日中活動先
- 喫煙・飲酒などの生活習慣
- ペットなど特別な希望
- 本人が不安に感じていること
などです。
ただし、条件を増やしすぎると候補が少なくなることもあります。
「絶対に譲れない条件」と「できれば希望する条件」に分けておくと探しやすくなります。
相談支援専門員がいない場合はどうする?
「グループホームを探したいけれど、相談支援専門員がいない」
という方もいるでしょう。
その場合には、まずお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口へ相談してみましょう。
厚生労働省も、障害のある方への相談支援について、市町村や指定特定相談支援事業者などを相談窓口として案内しています。
また、地域によっては、
- 基幹相談支援センター
- 委託相談支援事業所
- 障害者相談支援センター
などで相談できる場合があります。
名称や相談体制は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村へ確認しましょう。
相談支援専門員がいないとグループホームを探せない?
相談支援専門員が決まっていない段階でも、グループホームの情報収集や問い合わせ、見学などを始めることはできます。
ただし、共同生活援助(グループホーム)は障害福祉サービスであり、正式にサービスを利用するためには市区町村による支給決定などの手続きが必要です。厚生労働省は共同生活援助を、主として夜間に共同生活を行う住居で相談や日常生活上の援助を提供する障害福祉サービスとして位置付けています。
そのため、
「まず住まいを探すこと」
と、
「障害福祉サービスを利用するための手続きを進めること」
を並行して進めるケースもあります。
まだ受給者証や相談支援専門員がない場合には、市区町村の障害福祉窓口などへ早めに相談しておくとよいでしょう。
相談支援専門員とグループホームのスタッフは何が違う?
どちらも本人を支える存在ですが、役割が異なります。
| 相談支援専門員 | グループホーム | |
|---|---|---|
| 主な役割 | 本人の生活全体を考える | ホームでの日常生活を支援する |
| 計画 | サービス等利用計画 | 個別支援計画 |
| 関わる範囲 | 住まい・日中活動・福祉・医療などを総合的に調整 | 主にグループホームでの生活・支援 |
| 利用後 | モニタリング・関係機関との調整 | 日常的な生活支援・相談など |
つまり、
相談支援専門員=生活全体を一緒に考えるコーディネーター
グループホーム=実際の暮らしを支えるサービス事業所
というイメージです。
両者が連携することで、本人の生活全体を支えやすくなります。
グループホーム探しは早めに始めることが大切
グループホームは、
「必要になったらすぐ入居できる」
とは限りません。
本人に合った支援体制や立地、費用などを確認しながら候補を探す必要があります。
特に、
「親が高齢になってから」
「退院が決まってから」
「現在の住まいで生活できなくなってから」
初めて探し始めると、時間的な余裕がなくなる場合があります。
将来的にグループホームを利用する可能性がある場合には、本人や家族が元気なうちから相談支援専門員などへ相談し、見学や情報収集を始めておくことも一つの方法です。
よくある質問
Q. 相談支援専門員への相談に費用はかかる?
障害福祉制度に基づく計画相談支援では、サービス等利用計画の作成やモニタリングについて計画相談支援給付費が支給される仕組みとなっています。
具体的な利用方法については、市区町村や相談支援事業所へ確認しましょう。
Q. 家族だけでも相談できますか?
本人だけではなく、家族が相談のきっかけになることもあります。
ただし、サービス等利用計画では本人の希望や意向が重要です。
Q. グループホーム以外のことも相談できますか?
相談できます。
住まいだけでなく、就労、日中活動、ヘルパーなどの障害福祉サービスや、地域生活に関するさまざまな相談を行う役割があります。
Q. グループホーム入居後も相談できますか?
はい。
計画相談支援では、サービス利用開始後もモニタリングを行い、必要に応じて計画の変更や関係機関との調整を行います。
まとめ
相談支援専門員は、障害のある方が地域で安心して生活するために、本人の希望や困りごとを整理し、必要な障害福祉サービスや関係機関をつなぐ重要な専門職です。
グループホームを検討するときには、
① 本人の希望や生活状況を整理する
② 必要な支援を一緒に考える
③ サービス等利用計画を作成する
④ グループホームや関係機関との連携・調整を行う
⑤ 入居後もモニタリングを行う
などの役割があります。
一方で、相談支援専門員は不動産会社や検索サービスとは役割が異なるため、希望地域の空室を必ず探してくれるとは限りません。
グループホームを探す際には、相談支援専門員と相談しながら必要な支援を整理し、検索サイトなども活用して実際の候補を比較するとよいでしょう。
「みんなのグルホ」では、全国の障がい者グループホーム情報を掲載しています。
希望エリアや住居タイプ、支援内容などを確認しながら、本人に合ったグループホーム探しにぜひご活用ください。
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