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【2027年度改定】放課後等デイサービス・児童発達支援の職員研修が義務化へ?対象者・研修内容・開始時期を解説

2027年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて、障害児支援に従事する職員の研修制度が大きく変わる可能性があります。

2026年10月5日、こども家庭庁は障害福祉報酬改定検討チームにおいて、児童発達支援や放課後等デイサービスなどのすべての常勤職員に、新たな「基礎・実践研修」の受講を求める案を提示しました。

これまで障害児支援の現場では、職員の経験や資格、事業所ごとの研修体制によって、学ぶ内容や機会に違いがありました。

今回の提案は、全国共通の研修体系を整備し、障害児支援に携わる職員の専門性とサービスの質を高めることを目的としています。

事業者や現場職員にとっては、

  • どのサービスが対象になるのか
  • 常勤職員は全員受講する必要があるのか
  • 非常勤職員も対象になるのか
  • 研修は何時間必要なのか
  • 2027年度からすぐに受講しなければならないのか
  • 研修中の人員配置はどうなるのか

といった点が気になるところではないでしょうか。

この記事では、こども家庭庁の公表資料をもとに、研修制度の見直し案と、障害児支援事業者が今後確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。

※2026年10月15日時点では、今回の内容は正式決定ではなく、2027年度の制度改正に向けた検討・提案段階です。

2027年度から障害児支援の職員研修が義務化される?

今回の提案では、障害児支援に従事する職員に共通して必要な知識や専門性を身につけてもらうため、新たな研修制度を運営基準に位置づけることが検討されています。

具体的には、対象となる障害児支援事業所に対し、職員が「基礎・実践研修」を受講できるよう、必要な措置を講じることを求める案です。

さらに、制度導入時には対象事業に配置されているすべての常勤職員に受講を求め、その後は新たに従事する常勤職員にも受講を求める方向が示されています。

つまり、今後の制度設計によっては、障害児支援事業者にとって職員研修の実施・受講管理が、これまで以上に重要になる可能性があります。

ただし、現段階で研修の義務化が正式に決定したわけではありません。

具体的な受講期限や運営基準上の取り扱いなどは、今後の議論や正式な制度改正の内容を確認する必要があります。

研修の対象となる障害児支援サービスは?

今回の提案では、児童福祉法に基づく次のサービスが対象として示されています。

① 指定障害児通所支援

  • 児童発達支援
  • 放課後等デイサービス
  • 居宅訪問型児童発達支援
  • 保育所等訪問支援

② 指定障害児入所支援

  • 福祉型障害児入所施設
  • 医療型障害児入所施設

③ 指定障害児相談支援

  • 障害児相談支援

このように、児童発達支援や放課後等デイサービスだけでなく、障害児入所施設や障害児相談支援も対象となる方向です。

一方、障がい者グループホーム(共同生活援助)や就労継続支援A型・B型など、成人向けの障害福祉サービスについては、今回示された研修受講対象事業には含まれていません。

そのため、今回の提案をもって、すべての障害福祉サービス事業所に同じ研修が義務化されると考えるのは正確ではありません。

常勤職員は全員受講?非常勤職員はどうなる?

今回の提案で特に注目したいのが、受講対象となる職員の範囲です。

常勤職員は全員を対象とする方向

こども家庭庁は、制度導入時に対象事業へ配置されているすべての常勤職員に対し、基礎・実践研修の受講を求める案を示しました。

その後、新たに障害児支援に従事する常勤職員についても、受講を求めることが検討されています。

このため、事業所の管理者は、現在の職員だけでなく、今後採用する職員の研修受講についても管理する必要が生じる可能性があります。

ただし、職種別の具体的な取り扱いや受講期限などは、今後の正式な制度設計を確認する必要があります。

非常勤職員も対象になる可能性

非常勤職員についても、研修制度の対象から完全に除外するという方向ではありません。

今回の提案では、非常勤職員の役割や勤務実態などを踏まえ、標準カリキュラムのうち必須受講科目を設定するなど、常勤職員とは異なる枠組みで受講を求めることが検討されています。

そのため、

「非常勤職員は研修を受けなくてもよい」

と判断するのは早い段階です。

今後、非常勤職員に必要な研修内容や受講範囲についても確認していく必要があります。

新たな研修制度は「3階層」で構成される

今回の研修制度は、職員の経験や役割に応じて、段階的に専門性を高めていく仕組みとして検討されています。

具体的には、次の3階層です。

研修主な対象導入予定
基礎・実践研修障害児支援に従事する職員2027年度
リーダー研修事業所で中心的な役割を担う職員2028年度
コア人材研修地域で中心的な役割を担う職員2029年度

基礎・実践研修を土台として、その後、リーダー研修やコア人材研修を積み上げていく仕組みです。

なお、リーダー研修とコア人材研修については、事業所や地域の中核的な役割を担う職員が任意で受講する研修として検討されています。

すべての常勤職員に3種類の研修を義務づけるという内容ではありません。

基礎・実践研修は何時間?どんな内容を学ぶ?

こども家庭庁が2025年にまとめた人材育成に関する検討会報告書では、基礎・実践研修を2段階に分ける構成が示されています。

基礎・実践研修Ⅰ

主に障害児支援に従事し始めた職員を想定した研修です。

  • 受講時期の目安:入職後から半年程度まで
  • 科目数:7科目
  • 研修時間の目安:約7時間

障害児支援に必要な基本的な考え方や姿勢を学ぶための研修として位置づけられています。

基礎・実践研修Ⅱ

基礎・実践研修Ⅰを修了した職員が、さらに実践的な知識や支援技術を身につけるための研修です。

  • 受講時期の目安:研修Ⅰ修了後から3年目程度まで
  • 科目数:22科目
  • 研修時間の目安:約22時間

これらは2025年の検討会報告書で示された研修体系の目安であり、2027年度の正式な受講要件が確定したものではありません。

研修では何を学ぶ?

研修では、障害児支援に従事する職員に共通して求められる知識や姿勢を学ぶことが想定されています。

主な内容は、

  • 障害児支援の基本理念
  • 子どもの権利擁護
  • 本人の理解と発達支援
  • 家族への支援
  • 地域との連携
  • 虐待の予防と対応
  • チームによる支援
  • 障害児支援に関する制度理解

などです。

単に知識を身につけるだけでなく、実際の支援に生かすことが重視されています。

研修はオンラインで受講できる?

2025年の検討会報告書では、基礎・実践研修の講義について、動画視聴によって受講できる体制を整備する方向が示されています。

また、講義を受けるだけでなく、

  • 受講前に自分の支援を振り返る
  • 動画などで講義を受講する
  • 受講後に上司や先輩職員と対話する
  • 学んだ内容を日々の支援に生かす

といった取り組みも想定されています。

事業者が実施主体となることを基本としながら、事業者団体や児童発達支援センターなどが研修を実施する柔軟な運用も提案されています。

ただし、正式な受講方法や修了確認の取り扱いなどについては、今後の詳細な制度設計を確認する必要があります。

研修受講中の人員配置はどうなる?

事業者にとって重要なのが、研修時間をどのように確保するかという問題です。

特に児童発達支援や放課後等デイサービスでは、サービス提供時間を通じて必要な人員を配置することが求められます。

そのため、職員が外部研修へ参加することで、一時的に人員配置が難しくなることも考えられます。

今回の提案では、この課題への対応として、外部研修の受講に伴って一時的に人員配置へ影響が生じる場合について、人員基準の柔軟な取り扱いを検討する方向が示されました。

ただし、必要な直接支援体制を確保することが前提とされています。

現時点では、研修に参加する職員を人員配置基準上どのように取り扱うかについて、具体的なルールが確定したわけではありません。

事業者は今後の正式な通知や基準改正を確認する必要があります。

なぜ障害児支援の研修制度が見直されるのか?

今回の制度見直しの背景には、障害児支援サービスの拡大と、支援の質の確保という課題があります。

児童発達支援や放課後等デイサービスなどは、事業所数や利用者数が大きく増加してきました。

一方で、職員に求められる専門性や研修体系については、全国共通の仕組みが十分に整備されていないことが課題とされてきました。

事業所によって研修の機会や内容に違いがあると、提供される支援の質にも差が生じる可能性があります。

そこで、全国共通の研修体系を整備することで、

「どの地域でも、障害のある子どもが質の高い支援を受けられる環境」

を目指す方針が示されています。

また、職員自身が専門性を高め、段階的にキャリアアップできる仕組みをつくることも目的の一つです。

事業者が今から準備しておきたい5つのこと

制度の詳細はまだ決まっていませんが、障害児支援事業者は今の段階から準備できることがあります。

① 常勤・非常勤職員の人数を把握する

まず、現在の職員体制を整理しておきましょう。

常勤職員と非常勤職員の人数や勤務形態を確認しておくことで、今後の研修計画を立てやすくなります。

② 現在の研修実施状況を確認する

事業所内で実施している研修や、職員がこれまで受講した外部研修などを整理しましょう。

ただし、既存研修が新制度の研修に読み替えられるかどうかは、現時点では明らかになっていません。

③ 研修時間を確保できる勤務体制を検討する

職員が研修を受講する時間をどのように確保するかは、重要な課題です。

特に小規模な事業所では、職員が研修に参加する際の勤務調整や代替職員の確保などが必要になる可能性があります。

④ 研修受講状況を管理する仕組みを整える

今後、研修受講が運営基準に位置づけられた場合には、職員ごとの受講状況を把握することが重要になると考えられます。

受講日、研修名、修了状況などを整理できる管理方法を検討しておくとよいでしょう。

ただし、具体的な記録保存義務や保存期間については、正式な制度内容を確認する必要があります。

⑤ 国や自治体からの最新情報を確認する

今回の研修制度は、2027年度の導入に向けて検討が進められている段階です。

今後、研修対象者や受講期限、カリキュラム、実施方法、人員配置基準の取り扱いなどが具体化される見込みです。

事業者は、こども家庭庁や厚生労働省、指定権者からの通知などを継続的に確認することが大切です。

障がい者グループホームにも今回の研修制度は適用される?

今回の提案は、児童福祉法に基づく障害児支援サービスを対象としています。

そのため、障がい者グループホーム(共同生活援助)は、今回の新たな基礎・実践研修の受講対象事業には含まれていません。

ただし、グループホームを含む障害福祉サービスでも、虐待防止や身体拘束の適正化、感染症対策など、運営基準に基づく研修や取り組みが求められています。

今回の障害児支援向け研修制度と、グループホームで既に求められている研修は別のものです。

両者を混同しないようにしましょう。

最新のグループホームの運営指導、監査の強化に関しての記事はこちらから確認できます。

よくある質問

Q. 2027年度から放課後等デイサービスの職員研修は義務化されますか?

2026年10月5日の会議で、常勤職員への基礎・実践研修の受講を求める案が示されました。

ただし、2026年10月9日時点では正式決定ではありません。

Q. 非常勤職員も全員受講する必要がありますか?

非常勤職員についても、役割や勤務実態に応じた研修受講を求める方向が検討されています。

ただし、常勤職員と同じ内容をすべて受講するのかなど、具体的な取り扱いは今後決まる予定です。

Q. 研修は何時間必要ですか?

2025年の検討会報告書では、基礎・実践研修Ⅰが約7時間、研修Ⅱが約22時間とされています。

ただし、正式な研修時間や受講要件については今後の制度設計を確認する必要があります。

Q. すでに勤務しているベテラン職員も対象ですか?

今回の提案では、制度導入時に対象事業へ配置されているすべての常勤職員に受講を求める方向です。

そのため、実務経験が長い職員も対象となる可能性があります。

ただし、既存の資格や研修歴による取り扱いなどは、今後の正式なルールを確認する必要があります。

Q. グループホームの世話人や生活支援員も対象ですか?

今回の提案では、共同生活援助は対象に含まれていません。

グループホームの職員については、今回とは別に適用される運営基準や研修義務を確認する必要があります。

まとめ

2026年10月5日、こども家庭庁は2027年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けて、障害児支援に従事する職員の新たな研修制度を提案しました。

今回の提案で押さえておきたいポイントは、次のとおりです。

① 児童発達支援や放課後等デイサービスなどが対象

指定障害児通所支援、指定障害児入所支援、指定障害児相談支援が対象として示されています。

② 常勤職員は全員受講を求める方向

制度導入時に配置されている常勤職員に加え、その後新たに従事する常勤職員にも受講を求めることが検討されています。

③ 非常勤職員も別の枠組みで受講を求める方向

勤務実態や役割などを踏まえ、必須科目を設定するなどの方法が検討されています。

④ 2027年度から段階的に導入予定

基礎・実践研修を2027年度、リーダー研修を2028年度、コア人材研修を2029年度に導入する計画です。

⑤ 現時点では正式決定ではない

具体的な受講期限や実施方法、人員配置上の取り扱いなどは、今後の制度設計で明らかになる見込みです。

障害児支援事業者にとっては、職員の専門性を高める機会となる一方で、研修時間の確保や勤務調整など、新たな運営上の対応が必要になる可能性があります。

今後の正式な制度改正を確認しながら、無理のない研修体制を整えていくことが重要です。


【参考資料】

・介護ニュースJoint(2026年10月5日)
https://www.joint-kaigo.com/articles/49227/

・障害福祉報酬改定検討チーム(2026年10月5日)検討資料
https://www.joint-kaigo.com/wp-content/uploads/2026/10/0047783726.pdf

・こども家庭庁「障害児支援における人材育成に関する検討会報告書」概要
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/24692e28-7bb8-4f23-9809-1d79ad4aaeff/07061483/20250903_councils_support-personnel_01.pdf

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