就労選択支援とは?2025年10月開始・2027年4月からの対象拡大をわかりやすく解説
就労選択支援は、障害のある方が自分に合った働き方や就労支援サービスを選ぶための障害福祉サービスです。
2025年10月1日から制度が開始され、新たに就労継続支援B型の利用を希望する方は、原則として事前に就労選択支援を利用する仕組みとなりました。
さらに2027年4月以降は、次の方にも原則利用の対象が広がります。
- 新たに就労継続支援A型の利用を希望する方
- 就労移行支援の標準利用期間である2年を超えて、継続利用を希望する方
「就労選択支援では何をするの?」
「利用すると進路を決められてしまう?」
「B型やA型を利用する前に必ず受けなければならない?」
「グループホームを利用していても対象になる?」
この記事では、就労選択支援の目的や対象者、支援内容、2025年10月と2027年4月の制度変更、利用の流れについてわかりやすく解説します。
もくじ
就労選択支援とは?
就労選択支援とは、障害のある方が就労先や働き方について、より自分に合った選択をするための支援を受けられる障害福祉サービスです。
短期間の作業や生産活動などを通して、本人と支援者が一緒に次の内容を整理します。
- 本人が希望する働き方
- 得意なことや苦手なこと
- 作業能力や適性
- これまでの就労経験
- 働くために必要な配慮
- 適した作業環境
- 今後利用する就労支援サービス
その結果をもとに、本人、家族、相談支援専門員、学校、医療機関、就労支援機関などが連携し、今後の進路を検討します。
就労選択支援は、支援者が一方的に進路を決める制度ではありません。
本人が自分の希望や特性を知り、納得したうえで働き方を選べるように支援するサービスです。
就労選択支援はいつから始まった?
就労選択支援は、2025年10月1日に新しい障害福祉サービスとして開始されました。
制度開始時から、主に新たに就労継続支援B型を利用する方について、事前の利用が原則とされています。
その後、2027年4月から対象となるケースが拡大します。
2025年10月から原則利用となった対象者
新たに就労継続支援B型を利用する方
2025年10月以降、新たに就労継続支援B型を利用する場合は、原則として就労選択支援を事前に利用し、就労面の課題や適性などを整理することになりました。
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばず、本人の体調や障害特性に合わせて生産活動などを行うサービスです。
これまでは、本人の能力や希望について十分な確認が行われないまま、B型の利用が始まるケースもありました。
就労選択支援を利用することで、B型が本人に合っているかだけでなく、次のような可能性も含めて検討します。
- 一般就労
- 障害者雇用
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 生活介護などの障害福祉サービス
ただし、すべてのB型利用希望者が必ず就労選択支援を受けるわけではなく、一定の例外があります。
B型利用前の就労選択支援が省略される場合
次のような方は、就労選択支援事業所によるアセスメントを受けずに、就労継続支援B型を利用できる場合があります。
- 50歳以上の方
- 障害基礎年金1級を受給している方
- 就労経験があり、年齢や体力などの理由で一般企業への雇用が難しくなった方
また、地域に就労選択支援事業所がない場合や、事業所数が少なく長期間の待機が発生する場合には、就労移行支援事業所などによる就労アセスメントを経て、B型の利用が認められることがあります。
実際の取り扱いは自治体や本人の状況によって異なるため、市区町村または相談支援専門員への確認が必要です。
2027年4月から原則利用の対象が拡大
2027年4月以降は、支援体制の整備状況を踏まえながら、次の2つのケースでも就労選択支援の利用が原則となります。
① 新たに就労継続支援A型を利用する方
就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結び、原則として最低賃金以上の給与を受けながら働く障害福祉サービスです。
2027年4月以降に新たにA型の利用を希望する方は、原則として就労選択支援を利用し、次の内容を確認します。
- 雇用契約に基づいて働ける状態か
- 希望する勤務時間
- 作業能力や持続力
- 必要な職場環境や配慮
- 一般就労や就労移行支援の可能性
- A型が本人の希望や特性に合っているか
就労選択支援の結果によってA型を利用できなくなるということではありません。
本人がA型を含む複数の選択肢を理解し、より納得できる進路を選ぶために活用されます。
② 就労移行支援を2年を超えて継続したい方
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す方に対して、職業訓練や就職活動などを支援するサービスです。
標準利用期間は原則2年間です。
2027年4月以降、標準利用期間を超えて引き続き就労移行支援を利用したい場合は、原則として就労選択支援を利用します。
就労選択支援では、これまでの訓練状況や本人の希望を確認し、次の点を整理します。
- 就労移行支援の継続が適しているか
- 一般就労に向けてどのような支援が必要か
- A型やB型など別の選択肢が合っているか
- 生活面や体調面の課題は何か
- 利用期間を延長する必要性があるか
就労移行支援の利用延長を機械的に認めない制度ではなく、本人にとって適切な支援を改めて検討するための仕組みです。
2025年10月と2027年4月の違い
| 時期 | 原則として就労選択支援を利用するケース |
|---|---|
| 2025年10月以降 | 新たに就労継続支援B型を利用する場合 |
| 2027年4月以降 | 新たに就労継続支援A型を利用する場合 |
| 2027年4月以降 | 就労移行支援を標準利用期間の2年を超えて継続する場合 |
2025年10月に開始された制度の対象者が、2027年4月から拡大すると理解するとわかりやすいです。

就労選択支援では何をする?
就労選択支援では、短期間の作業体験や面談などを通じて、本人の希望や適性を整理します。
本人の希望を確認する
- どのような仕事をしたいか
- 何日程度働きたいか
- どのくらいの時間なら働けそうか
- 給与や工賃をどの程度希望するか
- 将来的に一般就労を目指したいか
作業能力や適性を確認する
- 作業の理解力
- 集中力
- 作業を続けられる時間
- 正確性
- 作業速度
- コミュニケーション
- 困った時に相談できるか
必要な配慮を整理する
- 休憩の取り方
- 体調変化への対応
- 通院や服薬への配慮
- 音や人混みへの配慮
- 指示の伝え方
- 通勤方法
関係者で今後の方針を検討する
アセスメント結果をもとに、本人を中心として関係者による話し合いを行います。
関係者の例は次のとおりです。
- 家族
- 相談支援専門員
- 学校
- 医療機関
- 就労支援事業所
- ハローワーク
- 障害者就業・生活支援センター
就労選択支援と他の就労支援サービスの違い
| サービス | 主な目的 | 雇用契約 | 利用期間 |
| 就労選択支援 | 自分に合った働き方や進路を選ぶ | なし | 原則1か月または2か月 |
| 就労移行支援 | 一般企業への就職を目指す | なし | 原則2年 |
| 就労継続支援A型 | 支援を受けながら雇用契約に基づいて働く | あり | 原則なし |
| 就労継続支援B型 | 体調や障害特性に合わせて生産活動を行う | なし | 原則なし |
| 就労定着支援 | 一般就労後の職場定着を支援する | 就職先と契約 | 一定期間 |
就労選択支援は、働くための訓練を長期間行う場所ではなく、今後の働き方を検討するための短期間のサービスです。
就労選択支援の利用期間
就労選択支援の支給決定期間は、原則として1か月または2か月のうち、市区町村が定める期間です。
短期間の中で、
- 面談
- 作業体験
- アセスメント
- 関係者とのケース会議
- 今後の進路整理
などを行います。
本人の状況や地域の運用によって、実際のスケジュールは異なります。
参照元:厚生労働省 「就労選択支援実施マニュアル」の送付について
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001489152.pdf
厚生労働省は、就労選択支援の支給決定期間を市区町村が定める1か月または2か月とし、本人の希望・能力・適性・必要な配慮などを整理するサービスとしています。また、本人との協同による意思決定支援であり、就労の可否判定やサービスへの機械的な振り分けを目的とするものではありません。
利用までの流れ
STEP1 市区町村や相談支援専門員へ相談する
まずは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口や相談支援専門員へ相談します。
STEP2 利用申請を行う
就労選択支援も障害福祉サービスのため、市区町村へ申請します。
すでに障害福祉サービス受給者証を持っている場合でも、就労選択支援の支給決定が必要になることがあります。
STEP3 就労選択支援事業所を選ぶ
地域の就労選択支援事業所を探し、利用先を決めます。
STEP4 面談や作業体験を行う
本人の希望を確認し、実際の作業などを通して適性や必要な配慮を整理します。
STEP5 アセスメント結果を共有する
本人や家族、相談支援専門員、関係機関などで結果を共有します。
STEP6 今後の働き方を選ぶ
本人の意思を尊重しながら、一般就労、就労移行支援、A型、B型などの進路を選びます。
就労選択支援を利用すると進路を決められる?
就労選択支援は、利用できるサービスを行政や事業所が一方的に振り分けるための制度ではありません。
アセスメント結果は、本人が自分に合った進路を考えるための参考情報として活用されます。
大切なのは、支援者の判断だけで進めるのではなく、本人が結果を理解し、納得して選択することです。
グループホーム利用者も就労選択支援を利用できる?
グループホームに入居している方も、対象要件を満たせば利用できます。
例えば、次のような場合が考えられます。
- グループホーム入居後の日中活動先を探している
- 新たに就労継続支援B型を利用したい
- 2027年4月以降に新たにA型を利用したい
- 就労移行支援を2年を超えて継続したい
- 一般就労と福祉的就労のどちらが合うか悩んでいる
住まいと日中活動の両方が安定することで、生活リズムを整えやすくなります。
グループホームのスタッフ、相談支援専門員、就労支援事業所などが情報を共有し、本人に合った環境を考えることが大切です。
就労選択支援はこんな方におすすめ
- 自分に向いている仕事がわからない
- 就労移行支援、A型、B型のどれを選ぶか迷っている
- 学校卒業後の進路を考えている
- 働いた経験が少ない
- 過去に仕事や就労支援が続かなかった
- 自分に必要な配慮を整理したい
- グループホーム入居後の日中活動を探している
- 就労移行支援の利用期間延長を検討している
よくある質問
Q. 2027年4月から就労選択支援が始まるのですか?
いいえ。
制度自体は2025年10月1日に開始されています。
2027年4月からは、新たにA型を利用する方と、就労移行支援を標準利用期間の2年を超えて継続する方にも、原則利用の対象が広がります。
Q. B型を利用する前は必ず就労選択支援を利用しますか?
原則として利用します。
ただし、年齢や障害基礎年金の受給状況、過去の就労経験、地域の就労選択支援事業所の整備状況などにより、例外があります。
Q. 就労選択支援を利用すると、希望する事業所へ行けなくなりますか?
就労選択支援は、本人の希望を否定したり、進路を一方的に決めたりする制度ではありません。
本人がより良い選択をするための情報整理と意思決定を支援します。
Q. 利用中に給与や工賃は支払われますか?
就労選択支援は、働いて給与を得ることを主な目的とするサービスではありません。
作業内容や事業所の取り扱いについては、利用前に確認しましょう。
Q. 障害者手帳が必要ですか?
障害者手帳がなくても、診断書などによって障害福祉サービスの対象と認められる場合があります。
市区町村の障害福祉窓口へ相談してください。
まとめ
就労選択支援は、障害のある方が自分に合った就労先や働き方を選ぶための障害福祉サービスです。
制度の重要なポイントは次のとおりです。
- 就労選択支援は2025年10月1日に開始された
- 2025年10月から、新たなB型利用前の利用が原則となった
- B型利用前の原則利用には一定の例外がある
- 2027年4月から、新たなA型利用希望者にも原則利用が広がる
- 2027年4月から、就労移行支援を2年を超えて継続する方にも原則利用が広がる
- 本人の適性だけでなく、希望や必要な配慮も整理する
- 支援者が進路を一方的に決める制度ではない
障害のある方が安心して地域生活を続けるためには、住まいだけでなく、自分に合った働き方や日中活動を選ぶことも重要です。
「みんなのグルホ」では、全国の障害者グループホーム情報を掲載しています。
今後グループホームの情報ページ内に同一県内の就労支援事業所の情報も掲載する予定です。
グループホームへの入居とあわせて日中活動や就労支援を検討している方も、希望する地域や支援条件に合った住まい探しにぜひご活用ください。
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